製造現場でのデータ活用や設備連携を進める中で、「どこからOPC UA導入を始めれば良いのかわからない」 といったご相談を多くいただきます。
そのような課題を解決すべく、導入の全体像と成功のポイントをわかりやすく解説します。

よくある課題

  • どこから実施していけばよいのかわからない
    製造設備・機種が多種多様で、何を接続・どう定義すれば良いかが明確でない。
  • 情報モデルの設計に不安がある
    ノード、変数、リファレンス…といったOPC UA固有の構造の理解・整理に時間と労力がかかる。
  • 開発リソースや経験が足りない
    Server/Clientの実装や変換・連携といった実作業で壁を感じる。
  • 認証や運用の体制が未整備
    OPC Foundation認証やセキュリティ要件をどうクリアするかが曖昧。

OPC UA導入全体像

理解フェーズ

  • 導入セミナー/基礎講習を行い、OPC UAの概念、情報モデル、通信方式を整理します。

設計フェーズ

  • 情報モデル設計支援:ノード設計、リファレンス整理、XMLベースのモデル定義までサポートします。

開発フェーズ

  • OPC UA Server/Client実装支援:SDK選定、既存設備やプロトコル変換(例:Modbus, MQTT など)を含む構成提案を行います。

検証・運用フェーズ

  • 動作検証、OPC Foundation認証支援、セキュリティポリシー実装支援までサポートします。

OPC UA導入支援の流れ

Step 1:事前ヒアリング・現状把握

製造現場の設備構成や通信構造を把握し、「どのデータを連携したいか」「既存システムとの関係性は?」を明確化。可視化・予知保全・生産最適化など、目的を定義します。

支援内容 要件ヒアリング、構想整理支援、通信構成提案

Step 2:情報モデル整理・モデリング

設備ごとに「どのデータをどう扱うか」を、ノードや変数構造の観点から設計。既存仕様がある場合は変換ルールを整理し、初期の情報モデルを作成します。

支援内容 モデル構築支援、標準仕様(EUROMAPなど)への適合提案

Step 3:実装方式の選定(SDK/既存資産活用)

Server/Client構成を検討し、直接実装・コンバーター経由・PubSub方式などを選定。通信方式や既存プロトコルとの橋渡し、セキュリティ設計もこの段階で決定します。

支援内容 認証済みSDK提供、実装方式設計支援、セキュリティポリシー設計

Step 4:開発支援・実装

情報モデルに基づいてServer/Clientを実装し、データ変換・履歴データの保存を含む通信を構築。通信安定性やパフォーマンスをテストし、運用を見据えた検証を行います。

支援内容 Empress SDKを活用した受託開発、結合テスト支援、品質評価

Step 5:検証・認証・運用支援

MESやSCADAなど上位システムとの接続試験を実施し、CRA・CTT対応を含む認証取得を支援。運用設計では、監視・障害対応・設備追加時の拡張までを見据えた体制を構築します。

支援内容 CRA/CTTテスト代行、運用・保守設計支援

OPC UA導入を成功に導く3つのポイント

1.情報モデルを先に設計すること
通信の前に「何をどのように扱うか」を整理することで、後工程の開発工数を削減。
2.認証済みSDKを使用すること
相互接続性と通信品質を担保し、トラブルを防止。
3.CRA(セキュリティ)を初期段階で考慮すること
設計時からセキュリティを組み込むことで、長期運用でも安全性を確保。

日新システムズのOPC UA導入支援体制

日新システムズでは、OPC UAの国際標準規格に基づく豊富な知見を活かし、Empress社製の認証済みSDKを活用した高度でセキュアな通信システムの構築を実現させます。

  • 支援メニュー例
  • OPC UA Server/Client SDK提供・カスタマイズ
  • 情報モデル構築・標準仕様対応支援
  • CRA・CTTテスト代行・セキュリティ対応支援
  • 導入後の保守・拡張支援

OPC 導入 個別相談会

OPC UA導入に関するあらゆるご相談をお受けしています。現場課題の整理から情報モデルの設計、開発フェーズでの技術支援まで、貴社の状況に合わせた最適な進め方をご提案します。

  • ご相談内容例
  • OPC UA導入の構想立案・進め方の整理
  • 既存設備のOPC UA対応(Server/Client)方法
  • 情報モデル設計やXML作成に関する支援
  • OEEや予防保全など、データ活用を見据えた設計
  • 事例に学ぶ導入・運用の成功ポイント
  • Robotics・工作機械など、複数機器連携時の考慮点

FAQ

Q:OPC UAに対応していない装置でもデータ収集できますか?

はい、可能です。シリアル通信、PLC専用プロトコル、CSV、DBなど、装置ごとのプロトコルに合わせたデータ取得IFを実装し、OPC UA形式へ変換します。

Q:クラウド環境(Azure / AWS / Private Cloud)へ送ることは可能ですか?

はい、可能です。MQTTやREST API、DB連携など、お客様環境に合わせた接続方式をサポートします。

Q:少量の機器からでも導入できますか?

はい、1台からご導入可能です。段階的なスモールスタートを推奨しています。

Q:操作や監視はどこで行いますか?

Webベースの管理画面やお客様既存の管理ツールと連携可能です。運用に合わせて柔軟に対応します。

設備の状況や課題をヒアリングし
貴社に最適な導入
ステップをご提案します。