製造現場のデジタル化やスマートファクトリー化が進む中で、避けて通れないキーワードが「OPC UA」です。
しかし、いざ調べようとすると専門用語も多く「結局何ができるの?」と立ち止まってしまう方も多いのではないでしょうか。
日新システムズでは、OPC UAについての基本的な情報を体系的にまとめた「OPC UA 超入門資料 ~概要から基礎技術まで~」を無料で提供しています 。
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本記事では資料の一部をわかりやすくまとめています。
なぜOPC UAが世界中で注目されているのか、導入することで現場がどう変わるのか、そのエッセンスを凝縮しました。これから工場IoTやDXを推進される方は、是非参考にしてください。
OPC UA(Open Platform Communications Unified Architecture)とは、OPC Foundationによって策定された、産業オートメーション分野における国際標準規格です 。簡単に言えば、メーカーやOSが異なる機器同士でも、スムーズにデータをやり取りできるようにするための「世界共通の約束事」と言えます。
OPC UAはデータを保持する「Server」と、そのデータを操作・閲覧する「Client」で構成されます 。各サーバーはIPアドレス等で識別され、メモリー上に「AddressSpace」というデータ構造を持ちますが、ここには最新のカレントデータのみが保存されるのが特徴です 。
セキュリティ面では、証明書を持つ信頼されたクライアントのみが接続を許可される仕組みとなっており、安全なデータ連携を実現しています 。
OPC UAが単なる通信プロトコルと一線を画すのは、以下の「4つのコンセプト」を掲げている点にあります。

① Security(安全に)
… データの完全性を維持し、情報を保護します。
② Connection(つなげる)
… 任意の相手にデータを転送できます。
③ Communication(伝える)
… 特定のルールに基づき情報を表現し、相手に正しく伝えます。
④ Utilization(活用する)
… 収集した情報の把握や分析、指示を可能にします。
このように、単に数値を送るだけでなく、「意味のある情報」として安全につなぐことがOPC UAの真髄です。
かつては「OPC Classic」という規格が主流でしたが、現代のスマート工場においてはいくつかの課題が顕在化しています。
最大の問題は、WindowsOSの技術(COM/DCOM)に依存していたため、Windows以外のOSを搭載した機器では動作しなかったことです。
また、ファイアウォール越しでのセキュリティ確保が難しいという技術的な弱点もありました。
これらの課題を克服したOPC UAを導入することで、現場には主に4つの大きなメリットがもたらされます。

① 通信手順が標準化されている
通信手順が世界共通の国際標準として規定されているため、独自の通信ドライバーを個別に開発・用意する必要がなくなり、MESやSCADAといった上位システムと、現場のPLCやロボットを容易に統合できます。
② データ構造が標準化されている
単なる数値の送受信にとどまらず、データそのものに「意味」を持たせる「情報モデル」が標準化されています 。業界ごとの共通ルール(Companion Spec)を活用することで、ロボットや工作機械がどのようなデータを持つか、システム側で共通認識を持つことが可能です。
③ 強固なセキュリティの確保
サイバー攻撃のリスクが高まる中、OPC UAはリモート攻撃の遮断、通信データの暗号化、そして「いつ・誰が・何をしたか」を記録するシステム監査証跡ログの保持といった高度なセキュリティ機能を標準で備えています。
④ プラットフォーム非依存(OSを選ばない)
TCP/IPやSSLといった標準的な通信方式を採用しているため、WindowsだけでなくLinuxや、より小型の「組み込みOS」を搭載したセンサーやコントローラーでも動作します 。これにより、工場内のあらゆる場所でOPC UAが活用可能になりました。
これらのメリットにより、OPC UAはインダストリー4.0やIoT化を目指す製造業にとって、安全で効率的なデータ活用の基盤として選ばれているのです。
自社の設備や製品をOPC UAに対応させるには、大きく分けて2つのアプローチがあります。

これは、既存のFA機器がModbusやシリアル通信、あるいはメーカー独自のプロトコルしか持っていない場合に有効です 。中継器がそれらの通信を吸い上げ、OPC UAに変換して上位システムへ受け渡すため、古い設備を活かしたままスマート工場化を進められます。

最新の機器や自社製品をネイティブにOPC UA対応させる場合に採用されます。一般的な開発フローは、情報の収集から始まり、データのモデル化、XMLファイルの作成、サーバー・クライアントの実装を経て、最終的な認証試験(CTT)へと進みます。
ただし、開発には注意点もあります。市販されている多くのSDKは、情報モデルの「スケルトン(骨組み)」のみを提供していることが一般的です 。そのため、業界標準の「Companion Spec」を取り込んだり、ベンダー独自の拡張モデルを構築したりするには、オブジェクトをUMLでモデル化してNodeモデルに変換するといった専門的な作業が必要になります。
確実かつスピーディーに実装するには、SDKの提供だけでなく、情報モデル作成のコンサルティングや技術サポートを併せて提供しているパートナーを選ぶことが、プロジェクト成功の近道となります。
OPC UAは、メーカーの壁を越えてデータを安全に繋ぐ「共通言語」として、製造業DXの基盤を支えています 。通信手順とデータ構造の両面が標準化されているため、導入によりシステム構築の効率化と高度なセキュリティの両立が可能になります。
今後は、さらにリアルタイム性を高める「TSN対応」や、大規模配信に適した「PubSub方式」へと進化し、クラウドを活用した工場の省人化・無人化を目指すスマートファクトリーの核となっていくでしょう。
日新システムズでは、OPC UAの導入を助けるソリューションサービスを提供しています 。開発委託や認証取得サポートも承っておりますので、導入に関するお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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