射出成形機業界では近年、EUROMAP対応(OPC UA情報モデル)が海外案件要件として求められるケースが増えており、特に欧州・中国向けでは必須項目となりつつあります。
EUROMAP導入のポイントとつまずきやすい課題を整理し、設計から実装まで日新システムズが支援します。

EUROMAP導入でよくある課題(つまずきポイント)

EUROMAPは世界標準として普及が進む一方で、導入にあたっては次の課題がよく挙げられます。

  • 業界や業界の競合先はOPC UA対応を進めているが、自社製品は未対応
  • OPC UAを導入検討をしようにも、社内に有識者が不足し、推進体制が組めない
  • EUROMAPの仕様が広範で、設計や実装が難しい
  • 自社製品の差別化のために独自の情報モデルを構築したい

こうした課題を解決するためにEUROMAP情報モデルが重要です。

なぜ今EUROMAP対応が求められているのか

製造業ではスマートファクトリー化が進み、設備データを活用した生産性向上や品質管理が前提となりつつあります。
特に射出成形工程では、

  • 射出成形機
  • 周辺機器(温調機、乾燥機、ロボット等)
  • MESなど上位システム

といった複数設備・システムの連携が不可欠です。
しかし現場ではメーカーごとに通信仕様やデータ形式が異なり、設備データ連携が複雑化するという課題があります。
こうした状況の中で、業界標準として注目されているのがEUROMAPです。

EUROMAP情報モデルとは(OPC UA Companion Specification)

EUROMAPは、射出成形機および周辺機器に対して業界団体が定めたOPC UA情報モデルです。
EUROMAPの活動はOPC UA技術を基盤として展開されており、高い相互運用性とデータ統合が業界のデジタル化を支える鍵となっています。

  • EUROMAPは下記のように用途毎に細分化されたモデルが作成/策定されています。
  • EUROMAPはプラスティックとゴムの各種機械、MES、及びその周辺機器のデータ交換を定義し、
    スマートマニュファクチャリング、製造工程における省人化を実現しスマートファクトリー化を目指します。
対応しているプラスチックの分野 EUROMAP規格 OPC UA規格
プラスチック業界全体 EUROMAP 83 OPC 40083
射出成形機とMES EUROMAP 77 OPC 40077
射出成形機と周辺機器 EUROMAP 82.1(温調機など)
EUROMAP 82.2(ホットランナー装置)
EUROMAP 82.3(LSR投入システム)
EUROMAP 82.4(Dosing System)
EUROMAP 82.5(Moulds)
EUROMAP 82.6(Glanulate Dryer Device)
OPC 40082-1
OPC 40082-2
OPC 40082-3
OPC 40082-4
OPC 40082-5
OPC 40082-6
取り出しロボットとMES EUROMAP 79 OPC 40079
押出機とMES EUROMAP 84 OPC 40084
マテリアルサプライシステム EUROMAP 86 OPC 40086
発泡体成形機 EUROMAP 87 OPC 40087
切り取りシステム EUROMAP 91 OPC 40091

EUROMAP対応で実現できること(標準化と設備連携)

複数メーカー設備の相互運用性を実現
EUROMAPは標準化された情報モデルにより、異なるメーカーの射出成形機や周辺機器を統一的に接続できる仕組みです。
設備メーカーが混在する現場でもデータ連携が可能になります。
MESなど上位システムとの統合が容易に
EUROMAP対応により、MESなどの上位システムや複数設備との連携が実現できます。
個別開発に頼らず、標準化されたデータ統合が可能になることが大きなメリットです。

EUROMAPによる設備連携イメージ

  • EUROMAPによる設備連携構成(押出機、ブロー成形機、温度調整機、ホットランナー、材料供給機とMESのOPC UA連携)

EUROMAP対応の進め方(ステップ別ガイド)

EUROMAP対応を進める際には、仕様をそのまま実装するのではなく、段階的に整理しながら導入を進めることが重要です。

Step 1:現状の課題と対象設備を整理する

Step 2:顧客要件に応じた適用範囲を設計する

Step 3:情報モデル設計(EUROMAP仕様の理解と構造化)

Step 4:OPC UAサーバ実装と設備連携の検証

Step 5:運用と拡張(標準対応を継続する)

EUROMAP導入事例(海外案件要件への対応例)

欧州向け案件で「OPC UA(EUROMAP対応)」が必須要件となり、段階的に情報モデル設計と実装を進めた結果、

  • 入札要件をクリア
  • MESとの標準接続を実現
  • 製品の海外競争力向上

につながったケースがあります。

EUROMAP対応チェックリスト(導入前に確認すべきポイント)

  • 市場・顧客要件は明確か
  • 対象設備・製品範囲は整理できているか
  • EUROMAP仕様の適用範囲を設計できているか
  • MES・上位システムとの連携要件はあるか
  • 検証・運用フェーズまで見据えられているか

当社のEUROMAP導入支援

OPC UAのエキスパートとしてEUROMAP導入に関するご相談をお受けしております。

  • 要件整理・適用範囲設計
  • 情報モデル構築支援
  • 実装・検証・運用まで一貫支援

FAQ

Q:EUROMAP対応は必須ですか?

欧州・中国向け案件では必須要件となるケースが増えています。

Q:EUROMAP仕様はどこまで実装すべきですか?

顧客要件に応じて段階的に対応することが重要です。

Q:周辺機器メーカーも対応が必要ですか?

工程全体の標準化が進むため対応することで競争力が高まります。

Q:OPC UAとEUROMAPの違いは?

OPC UAは通信基盤、EUROMAPは射出成形機業界向け情報モデルです。

Q:EUROMAP導入の相談先はありますか?

日新システムズが設計から実装まで支援可能です。